090:唯(山本左足)

唯一のプライドとしてこの夜を誰のせいにもしないと誓う
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089:出口(山本左足)

トンネルだと思っていたら洞窟で出口も無いしお宝も無い

088:弱(山本左足)

人偏に弱いと書いて「おとこ」って読むんだ知っているだろうけど

087:餅(山本左足)

好きだから焼餅ならばいくらでも焼いていいけど妬くのはやめて

086:ぼんやり(山本左足)

ぼんやりと眺めるうちにぼんやりと終わってしまう人生だろう

085:歯(山本左足)

人生の酸いも甘いも噛み締めて歯がボロボロになってしまった

084:左(山本左足)

「左足さん」と時折呼ばれますそれもわりかし気に入ってます

083:霞(山本左足)

改めて気付いた 俺の人生と霞ヶ関は関係がない

082:柔(山本左足)

柔らかいものが揉みたいだけだから君が嫌ならスポンジを揉む

081:自分(山本左足)

僕だけが知ってる君が自分では見られない場所のホクロのことを

080:修(山本左足)

修行僧も裸足で逃げる禁欲の日々の終わりを待ちわびている

079:悪(山本左足)

悪いのはぜんぶ俺だと思ってたあの日あなたを見かけるまでは

078:師(山本左足)

師と呼べる人はひとりも居なかった学生時代を思い起こせば

077:うっすら(山本左足)

うっすらと地面に雪が積もるように白髪ばかりが増えていく冬

076:納(山本左足)

納得のいかないことも多々あるがそれも含めて俺だけの日々

075:良(山本左足)

良いことが続くといいねトーストが程好く焼けるみたいなことが

074:ワルツ(山本左足)

どんなのがワルツなのかは知らぬまま何回も聞く『ワルツを踊れ』

073:史(山本左足)

歴史的価値など何も無い涙 悲しいのが僕だけでよかった

072:産(山本左足)

産直に並ぶ野菜の値札には「放射能検査済み」文字が

071:得意(山本左足)

本心を隠し通して笑うのがわりと得意になってしまった

070:柿(山本左足)

熟れきった柿が地べたに落ちていく秋の終わりの夕日のように

069:視(山本左足)

視聴覚室にぽつりとともる灯を消せば聞こえる午後五時の鐘

068:兄弟(山本左足)

「兄弟は選べないからしょうがない」兄の言葉が蘇る夜

067:闇(山本左足)

一寸先に闇があるって分かるから今は光の中なんだろう

066:きれい(山本左足)

きれいじゃない薔薇にも君を傷つけるための小さな棘くらいある

065:投(山本左足)

投げつけるみたいに歌う声がする駅前地下を足早に去る

064:刑(山本左足)

死刑宣告するかのような表情で「何食べたい?」ってあなたは言った

063:以上(山本左足)

どうしてもこれ以上思い出せなくて徳川家が十二代で滅ぶ

062:氏(山本左足)

住所氏名年齢すべて謎だけど見た目だけなら正義の味方

061:獣(山本左足)

獣にはもう戻れない寂しさよお湯が沸くまでじっと火を見る