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煙草嫌い

風に背を向けて煙草に火をつける僕の身体はたまに役立つ 木下龍也

歌集『つむじ風、ここにあります』より

おばんです。

WHO(世界保健機構)が、「世界の若者たちを喫煙に誘導している」などとして、喫煙シーンのある映画を成人指定にするよう各国に呼びかけた、というニュース。

俺は煙草はまったく吸いませんが、どうにも、昨今の禁煙ブームは異常なんじゃないかと思うこともしばしば。

ちょっと前に放映されていたTVアニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』で、主人公の空条承太郎が煙草を吸う場面だけ不自然に口の周りが黒く塗り潰されていたのも違和感があったけれど、まあ、承太郎は高校生だから喫煙シーンはNGというのなら百歩譲って分からないでもない(フィクションなんだからいいじゃねぇか、とは思うけど)。

だが、映画のなかで、大人が普通に煙草を吸っているシーンがあるだけでR18指定になるというのは流石に理解を超える。

何だか魔女狩りのようだと思う。「喫煙者」という仮想敵に対してならどれだけ残酷な仕打ちをしても許される、というような風潮を感じる。ガラス張りの喫煙所にも悪意を感じる。見世物にしてやろう、というような。まあ、考えすぎかもしれないけれど。

映画での喫煙シーンが未成年に悪影響を及ぼすというのなら、自動車の運転シーンはどうなのか。多くの未成年が様々な映画でレースシーンやカーチェイスシーンを視聴し、その影響で大勢が自動車に乗っている。おそらく、無免許運転をする人の大半はそういった映画を過去に見ているだろうし、そもそも、自動車による死亡事故は煙草による害の比ではない。

なぜWHOは自動車の出ている映画を成人指定しろと言わないのだろうか。謎だ。

…というのは勿論冗談だけどね。

さて今日の一首。

風を遮るように背中を丸めて煙草に火をつける男。それこそ映画の一場面のような、非常に映像的な上の句。対して、下の句はその男の心理描写となるのですが、ここでのポイントは「たまに」です。これがこの歌のすべてだと言ってもいい。これを除くと「僕の身体は役立つ」となり、一見ポジティヴなことを言っているように思えます。が、そこに「たまに」が入ってくるだけでまったく逆の意味合いになる。自嘲的に笑う男の後姿が見えてくるようではないですか。あンた、背中が煤けてるぜ…。

とはいえこれを「俺の身体なんて風除け程度にしかならない」と言ってしまっては詩にならないわけです。単なる愚痴になってしまう。役立つ、と言い切ることで、初めてこの雰囲気が生まれる。そのギリギリのポイントを見事に見極めた、凄い一首だと思います。

うちの近所の大学でも、最近まで屋内にあった喫煙所がすべて屋外になったとか、そもそも喫煙スペース自体が無くなってしまったとか、そういう話をバイトの子たちから聞き知るにつけ、(そこまで苛めなくてもいいんでは…)と思ってしまいます。まあ、俺は煙草なんて不健康なモン吸わないから関係ないんですけどね。

ひとつぐらい 脱ヘルシー
人間だもの
当然だといいながら      (奥田民生「たばこのみ」より)


では、また。おやすみなさい。
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