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筆名について

おばんです。

今日はツイッターで筆名に関する話題が多かったので、ブームに乗って俺も書いてみます。

といっても自分自身の筆名に関してはこれといった面白エピソードも無いので省略。今回はもうちょっと一般的な事柄について、自分の考えを整理するために書きます。

さて。

筆名に関してはまず第一に「使うべきでない。短歌は本名で詠むべきである」という考え方がかなり根強くあります。

これは一人称の文学である短歌に顕著な問題で、他の文芸ジャンルではもうちょっと大らかなんじゃないかと感じます。例えば小説家なら、女性でありながら男性名を名乗って活動したジェイムズ・ティプトリー・Jrや、あえて男女どちらにも使える名前を付けて覆面作家として活動していた北村薫らが居ます(薫といえば栗本薫も、初期の頃は後書きなどの一人称が「僕」だったはず)。ですが、短歌ではこういう事はおそらく認められません。

歌の内容に関しても、なるべくフィクションは扱わない、事実だけをありのままに歌うのが短歌だ、と考える人が、特に年配の方を中心に大勢います。短歌が私性の文学である以上、実体験を実名で歌うのが良いのだ、という主張は筋が通っています。

が、小説にだって私小説や純文学だけでなく色々なジャンルがあるように、短歌にも、エンターテイメントとしてフィクショナルな題材を扱うものがあってもいい。そしてそういう作品を詠むのなら、別に本名じゃなくても構わないのではないか。

…おそらくネットで短歌を詠んだり読んだりしている人にはこういう考え方の人が多いのではないかと思います。俺もそうです。こんなふざけた名前で活動してるくらいですから。

で、次に問題となるのは「どんな筆名がいいか」です。もっと端的に言うと「苗字はあったほうが良いか否か」。

これに関しての個人的な意見は、ツイッターでも言いましたが「本人が気に入ってれば何でも良いんじゃない?」という事に尽きるのですが、折角なんでもうちょっと詳しく。

絶対に避けたいと思うのが「筆名=匿名」となってしまうこと。たとえば筆名で何か失言をした後で、しれっと改名して後は知らぬ存ぜぬ、というのは論外だということです。自分の言動には責任を持たないといけない。

それともうひとつ。出来れば一生使える筆名を付けたほうがいい、とは思います。はじめは気まぐれでも、それが一生続く趣味になる可能性もある。それに、発表した作品はいつまでも記録と記憶に残るわけですから。詠み人知らずでもいいと言うならともかく。

正直に告白すると、俺は一時期、この筆名でなく本名でNHK短歌に投稿していたことがあります。たぶん二年間くらい。(何度投稿してもまったく採用されない!これは「山本左足」などというふざけた筆名のせいに違いない!)と思ってのことでしたが、本名で投稿したところでまったく採用されず(笑)、また筆名で投稿するようになってから何度か採用されました。名前が悪かったのではなく、単に歌が拙かったのです。恥ずかしい。

そんなことがあって以来、世に出る短歌はすべて山本左足名義で詠むようにしています。多分、本名で短歌を詠めと言われたら、いつものように詠めないと思う。筆名だったからこそ詠めた歌がたくさんあった。本名は本名でもちろん大切ですが、俺にとってはこの名前もとても大切です。

あと、蛇足を承知で付け加えるなら、世の中には「本名で実体験を」という考え方の人たちが大勢居るので、そういう人にも歌を届けたいと思うなら、やはり最低限人間の名前だと分かる程度の筆名を付ける必要はあるかと思います(笑)苗字は必須ですね、おそらく。

まあそうは言っても、「卓球短歌カットマン」で第三回歌葉新人賞を受賞したしんくわさんは12月に出す予定の歌集でもその筆名を使うようですし、やっぱり人それぞれだと思います。同じく新鋭短歌シリーズで来年3月に歌集を出す尼崎武さんはツイッターなどでは別の名前で活動されてましたが、歌集は本名(かな?)で出すと決めたようです。どっちが良いとか悪いとかじゃなしに、結局「本人が気に入ってるならそれでいいんじゃない?」という、そういう話。自分で考えて、自分で決めて、それに責任を持てれば、それでいいと思うんですよ。

筆名に関する話題は、深く考えていくと、作品と作者を巡る「私性」の問題に直面するんですが、そこを掘り下げていくと底無し沼に沈んでいくんで、今回はこの程度にしておこうと思います。

どんなキラキラネームだって全然良いと思うけど、筆名の場合、作風と見合った名前を付けないと後々後悔することになるかも。俺も早まって「もやし炒め旨男」という名前にしなくて良かったよ(以前そういうネタをツイッターで言っていたのです)。もやし炒め旨男という筆名に負けないような短歌を詠める自信が無いよ…。

そんなこんなで今日はここまで。おやすみなさい。
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